8515 アイフル(株)
ADRに基づく事業再生期間終了したが、なお再建途上
アイフル株式会社は、京都で創業した、独立系の消費者金融大手です。
クレジットカード(信販)のライフ、事業者金融(商工ローン)のビジネクストなどを子会社に持つアイフルグループの中核企業(事業持株会社)でもあります。
商号の由来は、英語の Affection(愛情や優しさ)・Improvement(努力や進歩)・Faithfulness(忠実や信頼)・Unity(結束)・Liveliness(活気良い)のイニシャルを繋げたもので、ちなみに2004年(平成16年)から2005年(平成17年)3月まで、クレジット内の企業名は "eye-ful corporation” と表記されていたが、その後は会社の英語名 “aiful corporation” が使用されました。
事業内容を見てみると、独自のスコアリングシステムによる与信ノウハウを有しており、テレビCMで起用したチワワの効果もあり、増収増益を維持していました。
しかし強引な営業活動や悪質な取り立てなどの違法行為が社会問題になり(クレサラ問題)、2005年(平成17年)4月16日に「アイフル被害対策全国会議(アイフル被害者の会)」が、被害者や弁護士・司法書士らにより結成されました。
また、2006年(平成18年)4月14日に財務省近畿財務局長がアイフルに、全店舗の業務停止命令を出しています。
これを受けて2006年(平成18年)4月から2ヵ月間のCM自粛を発表し、2002年(平成14年)から放送されてきた「チワワのCM」のシリーズが打ち切られています。
同社の株価も、2006年(平成18年)1月には一時期1万円台まで上昇していたが、業務停止命令により下落し、2007年(平成19年)1月には半分以下の4000円台、2008年(平成20年)1月には1000円台、2009年(平成21年)1月には300円台、2009年(平成21年)3月には100円を切る状況にまでなりました。
2008年(平成20年)の売上4000億円を最後に顧客数、貸付金、売上共に減少し経営が悪化が表面化していき、さらに、グレーゾーン金利廃止に従い、上限金利を20.0%(当時)に引き下げた為、収益が減少し経営が益々悪化して、2010年(平成22年)度決算では、3000億円近い大幅赤字になっています。
2009年(平成21年)9月18日、産業活力再生特別措置法所定の特定認証紛争解決手続(事業再生ADR)を利用しての私的整理による再建を図る方針を表明し、9月24日に事業再生ADRの認証団体である事業再生実務家協会に申請し、同日受理され、同12月24日、ADRが成立しています。
2014年(平成26年)6月13日、取引金融機関に対し、債務返済の軽減措置の5年間延長を求め、債権者会議で合意しました。
本業が上向き、金融支援継続は決まったものの、依然として経営環境は厳しいと報じられていましたが、2015年(平成27年)8月25日、取引金融機関から返済を猶予されていた融資527億円を前倒しで完済し、これによって取引金融機関からのアイフルに対する金融支援は終了しています。
2016年8月25日 木曜日 13:57 新宿アルタ前
投資判断ですけれども、時価総額は売上高の約2倍で、営業利益率は高いビジネスであることから、まずまず妥当な株価かと思われます。
ただ信用買い残が極めて多いことや、社会的に制裁を受けていることから、積極的に買いたいと言える環境にある企業ではないと思います。
私の投資判断は今回は見送ります。
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