ジャッカルの日(映画)
1973年にユニヴァーサル映画製作、フレッド・ジンネマン監督、エドワード・フォックス主演で映画化された。パリを含むヨーロッパ各地でのロケ撮影が多用され、ドキュメンタリータッチな作風や特注狙撃銃などの演出により、原作の雰囲気が忠実に再現されている。長身で物静かな容貌のフォックスが寡黙で鋭い眼差しの殺し屋「ジャッカル」を、また英仏のハーフでもあるロンズデールが、一見凡庸げながら粘り強くジャッカルを追い詰めてゆく老練なルベル警視をそれぞれ好演。本作はフォックスの出世作ともなった。
キャスト
役名 俳優
ジャッカル エドワード・フォックス
クロード・ルベル警視 マイケル・ロンズデール
モンペリエ男爵夫人 デルフィーヌ・セイリグ
内務大臣 アラン・バデル
コルベール将軍 モーリス・デナム
ローラン大佐 ミシェル・オークレール
デニース オルガ・ジョルジュ=ピコ
ストーリー
1954年に始まったアルジェリア戦争は泥沼状態に陥った。「フランスのアルジェリア」を信じて戦う現地駐留軍やフランス人入植者の末裔(コロン、またはピエ・ノワール)らは、フランスの栄光を願う右派世論を味方に付けてアルジェリア民族解放戦線(FLN)やアルジェリア人の村落を殲滅するが、当時のフランス本国は第二次世界大戦の傷も癒えぬまま第一次インドシナ戦争にも敗退した惨状にあり、また相次ぐFLNの爆弾テロや残虐になる一方の戦争で厭戦世論も広がり世論は分裂した。1958年、本国政府の弱腰に業を煮やした現地駐留軍の決起によって第四共和政は崩壊、フランスの栄光を体現するシャルル・ド・ゴール(以下、ド・ゴール)が大統領に就任したことにより第五共和政が開始された。アルジェリアの軍人やコロンたちは、ド・ゴールが「フランス固有の国土」のための戦争に一層力を入れてくれると期待したが、ド・ゴールは戦費拡大による破綻寸前の財政などを鑑み9月にアルジェリアの民族自決の支持を発表した。1961年の国民投票の過半数もそれを支持し、1962年に戦争は終結してしまった。
現地軍人やコロンらは大混乱のうちにフランスに引き揚げた。彼らは戦争中にOASを結成してアルジェリアでテロ活動を続けており、フランスでも政府転覆を狙ってド・ゴールへのテロ活動を行ったが、ジャン=マリー・バスティアン=ティリー(フランス語版)など現役のエリート軍人らによる暗殺計画はことごとく失敗し、組織の優秀な軍人達は逮捕され銃殺刑に処された。彼らは自分たちを愛国者であると信じ、処刑の場で兵士が自分に銃を向けることはないと自信たっぷりの態度を示したが、実際には兵士たちは迷わず命令に従って処刑してしまい、その思惑は外れた。組織にはフランス官憲のスパイが浸透した上、コルシカマフィア(ユニオン・コルス(フランス語版))まで投入した捜査の結果、秘密だった筈のメンバーや活動もほとんど判明してしまい、表の政治組織も官憲の実行部隊により容赦なく壊滅させられるに至って、支援者だった企業オーナーらも離れていった。
以後、OASの主要メンバーたちは国外逃亡して雌伏と屈辱の日々を送るが、1968年の五月革命の際に、軍部がド・ゴールに協力する代償として彼らへの恩赦を取り付けた。
ここまでは史実であり、舞台背景を説明する冒頭部分に当たる。
1963年、バスティアン=ティリー中佐の処刑の報を聞いたOAS幹部たちの一部は、オーストリアの潜伏先で、もはや組織は壊滅状態となり、内部の動きは全て察知されてしまうことから、組織外からプロの暗殺者を雇うことを決め、目的遂行に最適の人物として一人の男性が選ばれる。本名、年齢共に不詳だが若々しく、狙撃が超一流、要人暗殺の依頼もビジネスとして請け負い、実績を積んでいる男。彼は「ジャッカル」のコードネームで呼ばれることを望み、プロとして法外な報酬を要求した。
Trailer The Day of the Jackal
とても面白い映画でした。
映画というのは2時間という枠の中でやるので、一つのテーマをどれだけ詳しく映像化できるかですね。
私に欧州や暗殺の知識があればもっと楽しめる内容だと思いますが、そうでなくてもこれは100点満点の評価にしなければならない作品だと思いました。
タイトルも良いですよ。
おすすめ映画です。
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