裏切りのホワイトカード(小説・石田衣良)
池袋ウエストゲートパーク13ですね。
私は最近はあまり本は読まないのですけど、これは本屋で見かければ必ず買いますね。
池袋が舞台ですから、大抵の場所がすぐに思い浮かびますからね。
4編ありますので、個々に感想を書いていこうと思います。
滝野川炎上ドライバー
他の3編は面白かったのですけど、これは唯一つまらなかったです。
最後の男にはやらなければならないこともあるという母親の言葉も、若干他人を煽る言葉に聞こえて気分悪かったです。
自分の息子に、傷害事件の警察沙汰やらせたりはしませんよね。
ジュンジ君はもう普通の会社には勤めることは出来ないでしょう。
より貧しくて苦しい暮らしが待っていますよね。
弱音を吐かず、頑張りすぎる人ほど、もろい部分があるんだよな。
精神的につぶれなきゃいいけど。。
上池袋ドラッグマザー
これはとても面白かったし、うるっと感動する話です。
文章がさえわたっていて、ニヤリとする場面がたくさんありました。
そして結局母子がやくざの世話になるところが、この話に妙なリアリティーを与えていました。
ちなみにマコト君(衣良さん)、照れ隠しする必要はないと思いますよ。
女子中学生が嫌いな男性はいませんから(笑)
東池袋スピリチュアル
ゼロワンが登場する話でして、前々からゼロワンはネットの向こうの何かを探していたのですが、そこに答えはあるのか、読者である私もだんだん不安を感じてはいました。
このキャラクターは、永遠にたどり着けない何かを探しているのではないかという不安でした。
これが今回解決されました。
それも読者である私も納得できる形での解決でした。
素晴らしい一編だと思います。
裏切りのホワイトカード
これもまずまず面白かったです。
でもちょっと話が大きすぎて、絵空事感はありました。
やっぱ池袋ウエストゲートパークは、もっと地場の話でやって欲しいな。
時事ネタは物語の背景にちょこっとあるくらいが良いです。
0コメント